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<ウミトゲアリ>

「海へ進出した蟻」と副題が付いておりました。なかなか面白い内容のテレビでした。オーストラリアのマングローブ林、それも3時間ぐらいで地面が現れる場所。そこを住処とし、そこから干潟に出て海のもろもろの残骸を餌とする蟻がいるのです。

蟻は本来水が逃げての動物で、一見いろいろと適応できそうなシタタカさを持っているように見えるのですが、水だけは苦手のようなのです。そんなな中で、このトゲアリだけが見事に水に適応したのです.地下数10センチの穴の中にあちこちコブのある地下茎のような巣を作っております。海水が満ちてくればすっかり水没してしまうのですが、穴の中ではなおある部分は空気が確保されていてしばらくの間そこに集まって潮が引くのを待っているのです。

マングローブの木の根元、粘土質の土壌。空気と水の圧力のせめぎ合いの中で残る空間、その中でしたたかに満潮の海をやり過ごすのです。塩が引いて再び干潟が出来ればそこには逃げ送れた小魚、小動物、蟹の残骸などが転がっていて餌はかつて地上にいた時よりもはるかに豊かなのです。

 なぜ海に進出したのか。「しんしゅつ」とは人間の見方だと思うのです。蟻からすれば「やむを得ず」だったのではないでしょうか。このトゲアリにとって天敵はいろいろいるのでしょうが、取り分けの天敵は他のアリたちなのです。他のトゲアリ、凶暴なツムギアリ、小粒ながら更に凶暴なニクアリ。このトゲアリを襲うツムギアリ、更にそのツムギアリを襲うニクアリ。それぞれが噛み付いたまま辛うじて海に逃げ込み命拾いをするトゲアリ。カメラはそんなところまで、見事に捉えておりました。

 「水だけを克服すれば」、この課題を見事にクリアしたこのトゲアリだけが安全と豊富な餌の新天地を開拓しました。陸の上では弱いアリ、一見こぼれたかに見えたアリゆえに新天地を得たのです。水面を泳ぐ、水中を歩く・・・アリの常識では考えられないその姿に生き物の秘める可能性、限りない可能性を観ました。素敵な番組でした。 




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