20数年不登校に関ってきて
20数年不登校に関ってきて、これだけ情報や書籍があふれていても、初めての不登校に対する対応は、20年前となにも変わっていないと思わざるをえません。
あわてたり、おろおろしたり、叱って学校に無理やり連れていったり、元気のない子供が、さらに元気をなくすことをしています。学校も親と生徒本人にきちんと、しばらくはゆっくりすること、無理にではなく子供の話を話せるところから聴く、焦らないでいいから、学校は見捨てるようなことは、決してないから、と早めに伝えることだと思います。
親はそれでも心配は限りなくありますので、何故そうすることが回復がはやいか、これからどうなっていくのか等、自分達の安定は必要なので、安心できる機関に相談しながら、わが子を支えていくことが、重要なことだと思います。
学校に行かれなくなったことは、いじめの場合は、原因がはっきりしていますが、はっきりしない、うまく表現できない、とにかく体調がおかしい、朝どうしても起きられない、と言う場合が結構多いのです。なまけている訳ではないのです。とにかく本人が思いもよらない一大事が心の中で起こっている事は確かです。不安・恐怖・悲しみ・怒りなど頭の中でうずまいて、普通に学校にいくなんて状態ではなくなってしまい、努力や我慢では解決できない、自分が一番困って途方にくれているのが情けなくているのだと思います。日にちが経つと後ろめたさや、皆から取り残されていくのではないかというやり切れなさも重なってきます。そんな状態ですから、責められたり、悲しまれたり、困られるとますますその重さも背負うことになり、親に対して悪い事をしている自分をさらに自分が責め追い詰めていく事になり兼ねません。
どうかそこのところを懸命に理解してくださって学校も家族も本人も、あわてず・焦らず・責めず、しばらくの間ゆっくりしたら、家の中では元気を取り戻せるようになれます。
元気がなくなった時は家という温かい心の子宮にうずくまることで、安心と安全という羊水の中でどんどんじっとしながら成長してくれます。それでも、本人の不安・恐怖・体調不良が治まらずますます沈んでいく時は、医療(心療内科・思春期外来)も尋ねられるといいと思います。
はっきりいじめと分っている時は、決して頑張らせず、速学校に連絡しつつ学校から避難させることが必要です。いじめはすぐには止まらないし、いじめている人達を図に乗せるだけです。自分が何をしているのかさえも分らずに、虚勢をはって強いと勘違いしているのです。そんな人達のえじきにさせないためにも。
不登校する子供たちがこの社会や教育に重要な警鐘をならしてくれている筈です。私達大人はもっと真剣に耳を傾けなければいけないのだと思います。(misa)