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楽に過ごす・余分な傷をつけない
登校拒否の時に諸君はどうしていればいいのか。それは「楽に過ごすこと」「余分な傷を新たにつけないこと」に尽きると思います。登校拒否は基本的に生命体の、心の「安全反応」であり、そのまま必要な時間が経過すれば、ひとりでに一段落する現象だからです。従って周囲からの関わりもこの基本に沿ったものということになります。
例えばカウンセリングも医療も、その関わる基本姿勢は諸君が「少しでも楽に過ごすこと」「余分な傷をつけないこと」の手助けをするだけです。けっしてそれ以上踏み込んではならないのです。「楽に過ごせない」、裏返せば「大変な苦しみの中でこの時を過ごす」、あるいは「更に余分な傷がつく」ことは、この状況に更にストレスを加重させることになります。
多少の、ある程度のストレスは仕方がないでしょうし、そのくらいは諸君たちはちゃんと乗り越えていきます。ただ、過度のストレスの加重だけは避けなければなりません。
無理やり学校へ行かせようとしたり、勉強をさせようとしたり、無理に起こそうとしたり、マイナスの評価を与え続けること等は強いストレスを新たに加重することにつながります。親や本人を厳しく非難・罵倒(ばとう)して、無理やり頑張らせようとする場面がテレビなどで報道されますが、よほど終わりに近い場合ならともかく、大きな危険を伴うと言っていいでしょう。
かつて、20年くらい前だったでしょうか、抗うつ剤を強めに投与し続けて学校へ行かせることに成功した医者の話が報道されたことがありますが、登校拒否は安全のための反応であるという基本を無視した危険な行為と言えます。
「少しでも楽に過ごすこと」「余分な傷をつけないこと」というのは、世間の常識から見れば一見ひどい甘やかしに見えたり、積極的な働きかけを何もしない手抜き・無策のように見えますが、心の深い部分からの吐き出しには実はこれが一番合った対応のように思われます。
「何もせずに、任せて、そっと」ということになります。そのために、もし必要ならカウンセリングや医療が手助けをすることになります。カウンセリングも医療もそれ以上のものであってはならないのだと思います。
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のぞみ学園
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