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親子も他人、別の人格
子どもは親にとって一番大事な存在です。我が子のためなら、苦しんでいる我が子のためなら何でもしてあげたいと親なら思います。しかし、親は万能ではありません。スーパーマンではありません。
それまでは少しは何かが出来ると思っておりました。それなりの自負もありました。それが子どもが動けなくなった時、苦しんでいる時、この一番大事な時に殆ど何もすることの出来ない自分であることに気づきました。「これでもか」というくらい、それに気づかされました。
親は子どもの心の一番大事な時、「ここぞ」という時に実は何も出来ないのです。ほとんど無力に近いのです。
会社では、地域では、仲間の間では、結構いろいろ出来る自分だと思っておりました。職場の中ではかなり有能な人と思われておりました。信頼され、頼りにされておりました。
しかし、我が子の一大事の時、実は何も出来ない自分がおりました。そのあまりの落差に愕然(がくぜん)とされた方も多いことでしょう。
しかし、実はこの時は「無力・無能」が一番いいのだと思います。一番安全なのだと思います。この大事な時にスーパーマンのように何でも出来たら、そして、子どもの心にどこまでも踏み込んだとしたら、それはかえって危険です。自分の価値判断で何をするか分かりません。人の人生に、ある方向付けをしかねません。
心の「ここ一番」という時に、何も出来ないことはとても良いことです。安全です。祈りながらそっと任せましょう。わが子と我が子の後ろにある大きなものに、全てをゆだねて。
我が子と言えども「別の人格を持った、別の人間」だったのです。今まで、どこかで自分の一部のように錯覚しておりましたが、そうではありませんでした。お腹の中にいる時から「別の人格を持った別の人」でした。
寂しいようですが、辛いことですが、それに気づく良い折です。「我が子と言えども別の人格をもった別の人なのだ」と改めて自分に言い聞かせ、そこへ立ちきれる自分になることが大事なのです。
もちろん、同じ屋根の下にいる、一番大事な、大事な大事な「他人」です。そっと近くにいることは出来ます。祈りながら邪魔せずにいることは出来ます。尊敬しながら、ニコニコといることは出来ます。
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のぞみ学園
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